チャイナカフェ

高橋徹也ファンのブログ

The Ideal Acoustic Holiday@下北沢 CLUB Que

日付

2001/10/29(月)

出演順

篠原りか/高橋徹也浜崎貴司

編成

高橋ソロ

セットリスト

1.SUNSET
2.音楽
3.blue song(新曲)
-MC-
4.もっとぎゅうっと
5.ドライブ
6.いつだってさよなら
-MC-
7.真夜中のドライブイン

レポート

この日のイベントは4月にも出演したアコースティックイベント。会場はお馴染みQue。しかし高橋くんの編成はお馴染みのものではなく、なんと一人での弾き語り。ワンマンライブのアンコールやDJイベントでのミニライブで披露したことはあったけど、こうして本格的にライブをやるのは僕の知ってる限りでは初めてだ。

2番手に登場した高橋くんはギター1本の弾き語り…と思ったのだが、横にキーボードが。1番手でライブをした篠原りか(僕は遅れて見れず)のサポートに上田さんが参加していたと聞いたので 「あれ、上田さん出るのかな」と思ったが、やはりそうではなく。

登場した高橋くん、最初はそのキーボードに近づき音を出す。バックにキーボードの音を流したまま、中央の椅子に座る。アコギを持つ。いつものライブとは違う、不思議な緊張感がある。バックの音に、静かにアルペジオを乗せる。サビの辺りで「SUNSET」だと気付いた。5月のワンマンの時にSEで使ってた曲。こんな風にやるとは思わなかったなあ。なかなか面白い。サビでは「SUNSET, I'm fallin' down」って歌ってたと思う。見てる方も緊張するような、静かなオープニング。

曲が終わって、一瞬「ひめごと」を連想させるコードを鳴らす。一瞬「お?」と思うが、2曲目は「音楽」。もっと後半に持ってくる楽曲だと思っていたので、これは驚いた。去年8月のワンマンのアンコールで一人でやったのだが、それに近い感じだと思う。アコギのストロークが力強いなあ。しかし、この時すでにボーカルがちょっと上ずってた気が。大丈夫かな。

3曲目は新曲。メロディーの展開が、予想がつかない感じで面白かった。捻くれてるというべきか(笑)。僕は曲を聴きながら「この後はこう上がるんだろうな」とか予想しながら聞いてしまうんだけど、それがことごとく外される感じ。サビの最後で「just feeling like blue」と歌う。こういう英語のコーラスは珍しいかな? この曲の曲名は不明。日記に書いてあった新曲群の名前ともまた違う気がする。

MC。
「はい、えー、どうも。高橋です」
なんとなく緊張しているように見えた。一人だったからかな。
「お金を使うのが凄く好きで。使ったら使っただけ無くなるもので…そういうライブを。」
客席失笑(笑)。一人でもMCは全く変わらない。当たり前か。

ここのMCはやや長め。バンドでやる時との違い。バンドでやる時は音の抜き差しを大事にしたい、みたいなことを言っていた。
「歌いたいことを歌うというスタイルは、全裸みたいな感じで」
…?(笑)ますます訳がわからん方向へ。いつにも増して変なMCだなー。挙句「…最近、微妙に寒いんで」って、タイミング的におかしすぎ!(笑)客がクスクス笑うのに気付いたのか、「気温が、ですよ」だって(笑)。ははは。

あとは風邪の話。とかいって高橋くんは風邪ひかないらしいんですけど。「体が資本ですから」「昔の部活で鍛えた体を未だに信じてますからね。もう無いっていうのに」「俺はあの時水を飲まずにやったんだ!みたいな」 (笑)

で、このMC中にしきりにピックを探してるように見えたんだけど気のせいかな? ここでエレキギターに持ち替えて「もっとぎゅうっと」へ。じっくり見てて気がついたんだけど、親指で1弦とかを弾いてベースっぽい音を出しつつ、 人差し指で裏打ちっぽいリズムを弾いてた。って、これ当たり前? いや、なんとなく気持ちいいなー、と思いました。ベースっぽい音と裏打ちの音が心地よくて。

「小粋な着物ショー、みたいな」
「京都行きたいんですよね」
(客席無反応)「…勝手に行けよって感じで」(笑)

一瞬「真っ赤な車」みたいなコードを鳴らしたのでドキッとしたが「ドライブ」。そりゃ「真っ赤な車」は弾き語りじゃやらんだろう(笑)。でもこの2曲似てるしなー(おい)。ここでもややボーカル辛め。でもギターが凄くダイナミックで、いい意味で荒々しい。良かった。

一転して静かなイントロから「いつだってさよなら」。ギターでやるのは丁度1年前のスターパインズ以来? あの時はコサノさんだったなあ…懐かしい。ここでもやっぱりボーカルは多少辛めでハラハラしながら見てたんだけど、これも良かった。途中のフェイク部分(夜中の表通りを息を殺しながら〜、のところ)が大丈夫かな?と思ったけど、いつもと全然違う感じで。ギリギリで乗り越えて、ギターもヒートアップ。静と動のコントラストが良い。

MC。今後の告知。年内はライブをやらずにバンドでのレコーディング、1/14のライブ告知。そしてDJの告知。「ダンサブルじゃないんですけど」「楽しくおしゃべりできるような」「素敵なボサノバとかジャズとか」

この日は割とこまめにMCを挟んでいた気がする。一人で間が持たなかったのかな(笑)。そして最後は、その間を破るかのように突然「真夜中のドライブイン」のイントロが。始まった瞬間に「ああ、この曲もキー高いよなあ、大丈夫かなあ」と思ってしまった。

が!これがもう、とんでもなく良かった。ここまでの苦しい展開からは予想もできないことだった。正直、物凄く驚いた。今まで高橋くんのボーカルが不調だった時って、大抵そのままで終わってしまうことが多かったから。こんな風に、後半に盛り返してくるのは初めて見た気がする!ファルセットも「前半だったら裏返ってたんじゃないかな?」と思える部分も、かなりキレイに出ていた。

なんだろう、ボーカリストとして一皮むけた?感すら、ありました。最近はメロディーや歌詞の良さに気を取られがちだったけど、久々にガツンと「歌」にやられた。これってやっぱり「ひとり」ライブだったからだろうか?頼れるものは自分のギターとボーカルだけ。そんな状況だったからこそ、最後のボーカルが出たんじゃないかな。

正直に言えば、ライブ全体では選曲・アレンジともに予想通りというか「ああ、やっぱり」的な感じだった。もうちょっと意外な選曲もしてほしかったし、アレンジもやや単調な気がした。それでも終わった後に満足感が残ったのは、やっぱり最後の「真夜中のドライブイン」が素晴らしかったからだと思う。ひとり高橋徹也の「意地」みたいなものを感じたのは僕だけですかね? 本当に良かったです。

今回のライブが、残りのレコーディングにフィードバックすればいいなあ、と思う。とにかく新作に大期待。

(2001/11/10 記)


今や定番のスタイルとなったソロ弾き語りライブですが、個人的にはこの日初めて見たのでした。恐らく本人にとっても久々だったのでは。という訳でレポ掲載。

「blue song」はたぶんこの日初披露です。「真夜中のドライブイン」が本当に良かった記憶があります。そして浜崎さんの記憶が無い。

(2018/5/3 追記)